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Gentle rain

第7章 心と体

「自分は今の生活を提供する役、相手はあくまで欲求解消と、子孫繁栄の道具。」

「三科君!!」

突然大きな声を出した俺に、周りは驚いて、俺達二人を見て行った。

「君がどう思うと構わないが、少し言葉が過ぎやしないか?」

「やだな。自分はただ忠告しただけですよ。社長令嬢って奴にのめり込むと、身の破滅を招く。特にあの“森川菜摘”って方はね。」

一歩前に出た彼の瞳は、沢山の物が映っていて、奥が見えなかった。

「君は菜摘さんの何を知っているって言うんだ。」

「あの女の交際していた男、誰か知っていますか?」

「いや。」

彼は俺を見ながら、携帯を操作すると、一枚の写真を俺に見せた。

そこには菜摘さんと、一人の男性が写っていた。

「自分の兄です。」

「えっ?」

菜摘さんの元彼が、三科君の兄貴?

「兄は、あの女に本気でね。釣り合う男にようやくなったと喜んでいた時、仕事の失敗で左遷されたんです。」

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