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Gentle rain

第7章 心と体

「あっ、ここじゃあ近所の人に、変に思われるから家の中に入って。」

「あ、ああ……」

美雨の申し出は有難いんだが、一つだけ心に引っかかることがあった。


「今日、太我はいる?」

「兄さん?」

なんとなくあいつがいると、美雨と会いにくい。

「ううん。今日は出張でいないわ。」

「そっか。」

自分でも気づかずに、大きなため息をついた。


美雨は家の中のリビングまで、俺を心配そうに手を引っ張ってくれた。

「仕事、大変そうなの?」

「いや……大丈夫だよ。」


無理して笑ったのかもしれない。

美雨にはすぐに、それがウソだってわかってしまった。


「私に力になれるんだったら、何でも言って。愚痴ぐらいだったら聞けるから。」

胸がゆっくりと温かくなっていくのが、わかった。

俺はまた大きなため息をついて、美雨の肩に自分の頭を乗せた。

「敦也さん?」

「ごめんな、重いのに。」

ううんと美雨は首を横に振ると、そっと背中に腕を回してくれた。

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