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Gentle rain

第7章 心と体

太我はゴクンと、息を飲んだ。

「三科の兄貴が、左遷されたのは、知っているよな。」

「ああ。」

「あの原因は森川社長だ。」

「森川社長が!?」

俺は持っていたコップを、落としそうになった。

「森川社長は、三科の兄貴の行動を知っていた。ある時、女と一緒にホテルから出てくる場所を、写真で押さえたんだ。」

「それで?」

「相手が悪かった。三科の兄貴は、弟の婚約者にも手を出していた。しかもその女、三科以外にも、スパイのようにいろんな男寝ては、金で情報を売り買いしてたんだ。」

「はあ?」


そんな事があるなんて……

だから三科紘文は、婚約を解消したのか?


「それを森川社長に知られ、逆鱗に触れた三科の兄貴は、すぐに飛ばされた。決して仕事の失敗なんかじゃないんだ。」


俺はなぜか首筋がゾクっとした。


「階堂。森川社長の逆鱗に触れると、有りもしないことで人生が台無しになる。おまえは大丈夫か?」


返事ができない。

「階堂。なにかあったら、すぐに俺に言え。」

俺は太我の肩に手を置くと、小刻みに首を縦に動かした。

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