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Gentle rain

第8章 優しい雨

水が出る音がして、大量のお湯が敦弥さんの体に、降り注ぐ。

何度も抱かれているというのに、こんなにも間近ではっきりと見るのは初めて。

「ごめんごめん。寒いよね。」

そう言って敦弥さんは、自分の体の方が冷えているというのに、私の体にシャワーを浴びせてくれた。

「これ、使ってもいい?」

敦弥さんが指さしたのは、私が使っているシャンプー。

「うん…」

私の答えを聞くと敦弥さんは、普段使っている自分のシャンプーみたいに、髪を洗い始めた。

あっ、こんなふうに洗っているんだ。

また新たな発見。

「なに?」

「えっ?」

急に、こっちを向いた敦弥さん。

「なんかさっきから、ずーっと俺、見られているような気がするんだけど、気のせい?」

「うん、気のせい気のせい。それよりも、背中洗ってあげる。」

なんとか誤魔化して、ボディソープを泡立てた。

「後ろ、向いて。」

「ん?」

頭に泡を残しながら、敦弥さんの背中を洗ってあげる。

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