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Gentle rain

第8章 優しい雨

そのリラックスした顔に、また見とれてしまう。

どうして私はこんなにも、敦弥さんの事が、好きで好きで仕方がないのかしら。

「来ないの?」

敦弥さんが呟く。

「美雨。俺の傍に来て。」

その伸ばした手に導かれるように、私も湯船の中に入ると、そのまま自分の身体を、敦弥さんに預けた。

「ああ~。俺、今一番リラックスできてるわ。」

まるでビールを飲んだ後みたいで、私は笑えてきた。

「いや、本当。美雨は俺の栄養剤だって。」

「栄養剤?」

「そ!人生を頑張る為のね。」

そう言って敦弥さんは、そっと私の身体を抱き寄せてくれた。

「ねえ、敦弥さん。仕事、大丈夫?」

「ああ。いくつか当てがあるから、片っぱしから声をかけているところ。」

「敦弥さんが営業の仕事をしているの?」

「失礼だな。俺だって若い時は、営業職だったんだぜ?」

出会った時、既に社長だったから、そんな時代があったなんて、ちょっとイメージが湧かない。

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