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Gentle rain

第8章 優しい雨

問題はもしかしたら、私と敦弥さんにあるのかもしれない。

あの夜、俺の傍で笑ってくれていたら、それだけでいいと言った敦弥さんからは、全く連絡もない。

以前も会う時間がない程に、忙しい時はあったけれど、今度は電話もする時間がない程に、忙しいのかもしれない。

一応敦弥さんには、毎日電話しているけれど、留守電になるだけ。

普通の人だったら、もう私に飽きちゃったのかなって、悩むところなんだけど。



「それだけ、相手の事を信じてるってことじゃない?」

バイト先の店長は、私と敦弥さんが付き合っている事を知っている、数少ない人間の一人だ。

「そうでしょうか。」

「本当に別れるかどうかの瀬戸際だったら、仕事も手に付かないくらい落ち込んでいると思うわよ。」

そう言って店長は、私の在庫整理を紙を、ペラッとめくった。

「うんうん。いつも通り。大丈夫よ。」

そんなものなのかしらと、自分自身に聞いてみる。

でも、返事はない。

こんなにも、愛していると思える人に出会ったのは、初めてだから。

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