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Gentle rain

第9章 雨あがり

そう言われて振り返った女性を見て、身体が止まった。

「……えっ?」

相手の女性も、目を大きくした。

「……敦弥さん?」

「美雨?」


久しぶりに二人見つめ合って、どちらからともなく微笑んだ。

「久しぶりだね。元気にしていた?」

「ええ。私は元気よ。敦弥さんも元気そうで、何よりだわ。」

ありきたりな挨拶をしたけれど、3年振りに見る彼女は、以前よりも大人びた印象を与えた。


「お仕事の帰り?」

「ああ……美雨は?そう言えば、大学は卒業した?」

美雨はクシャっと笑いながら、伸ばした前髪を掻き上げた。

「うん。もう大学は卒業して、社会人よ。」

釣られて、俺も顔がクシャクシャになるまでの笑顔になった。


「そうか。美雨も社会人なんだ。何の仕事してるの?」

「インテリアの買付け。」

「すごいじゃないか!夢を叶えた上に、買付までするなんて。」

会社の部下を誉めるように、彼女の背中を軽く叩いた。

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