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Gentle rain

第4章 偶然

「すみません。てっきり大人の女性だとばかり、思いこんでしまって……」

「ううん、いいんだ。誰だってそう思うよな。」

こっちが確認もしないで、勝手に思い込みで選んだのに、階堂さんは不機嫌な顔をするどころか、笑って許してくれて。

どうしよう。

階堂さんのそういう一面を見ると、もっとこの人の事を知りたいと思ってしまう。

私はそんな気持ちを抑えながら、一つのキャンドルに、手を伸ばした。

「グレープフルーツの香り等は如何でしょうか。この香りを嗅ぐと、元気が出るって言われているんですよ。」

「へえ、いいね。じゃあ、それを貰おう。」

「……はい。」

棚の奥から箱に入っているキャンドルを取り出し、レジの前に階堂さんを連れてきた。

「これもお願いできる?」

それは先ほど階堂さんに勧めたイランイランの香りのするキャンドルだった。

「はい。プレゼント用でございますか?」

「ああ。別々に包んでね。」

「かしこまりました。」

その時の私は、何も考えていなくて、言われるがままに別々の包装を、工藤さんに頼んだ。

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