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Gentle rain

第5章 初めての夜

うんうんと頷きながら、彼、三科君に対して“まだ若いな”という印象を持った。


「階堂さんは、違うんですか?」

「ああ、昔はそうでしたけどね。今はどちらかと言うと、中身を重視するかな。」

「中身ですか……」


自分でも本当に、教科書通りの答えを言ったと思う。

テストなら合格点だ。


「優しさとか、お淑やかさとか。料理が得意とか、出しゃばらないような人ですか?」

「う~ん……」


少し前まで、俺も同じ事を考えていた。

が……


「理屈じゃないんだよな。」

「理屈じゃない?」

「ああ、なんだろう……。会った瞬間に水のようにスーッと心の中に入ってきて。少し会話を交わしただけで、心が満たされるような、そんな女性かな。」

「はあ……」


と言っても、まだこの遊び盛りの若者には、理解ができないだろう。

「羨ましい。僕もそんな女性に出会いたいです。」

返ってきたのは、意外な返事だった。


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