Gentle rain
第5章 初めての夜
「痛っ!!」
そんな声がキッチンから聞こえてきた。
「大丈夫ですか?」
俺は椅子から立ち上がって、菜摘さんの元へ駆け寄った。
「大丈夫です。ちょっと指を切ってしまって……」
「指を?見せて下さい。」
そう言って手に取った菜摘さんの指は、細長くて息を飲む程奇麗だった。
「よかった。ざっくり切れていなくて。」
少し血は滲んでいたが、絆創膏を貼っておけば、すぐに治るだろうと思う。
「すみません。階堂さんに何か作って差し上げようと思ったのに。これじゃあ、普段料理をしてない事がバレてしまうわ。」
「はははっ!その心配は御無用ですよ。菜摘さんの後姿を見て、いつもは手際よく料理しているのだろうって、思っていましたから。」
菜摘さんに、笑顔が戻る。
「それよりも菜摘さんの奇麗な手が、無事でよかった。」
ふいに顔を上げた菜摘さんの頬が、ほんのり赤くなっている。
「綺麗だなんて……」
そんな声がキッチンから聞こえてきた。
「大丈夫ですか?」
俺は椅子から立ち上がって、菜摘さんの元へ駆け寄った。
「大丈夫です。ちょっと指を切ってしまって……」
「指を?見せて下さい。」
そう言って手に取った菜摘さんの指は、細長くて息を飲む程奇麗だった。
「よかった。ざっくり切れていなくて。」
少し血は滲んでいたが、絆創膏を貼っておけば、すぐに治るだろうと思う。
「すみません。階堂さんに何か作って差し上げようと思ったのに。これじゃあ、普段料理をしてない事がバレてしまうわ。」
「はははっ!その心配は御無用ですよ。菜摘さんの後姿を見て、いつもは手際よく料理しているのだろうって、思っていましたから。」
菜摘さんに、笑顔が戻る。
「それよりも菜摘さんの奇麗な手が、無事でよかった。」
ふいに顔を上げた菜摘さんの頬が、ほんのり赤くなっている。
「綺麗だなんて……」