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Gentle rain

第5章 初めての夜

【昨日はありがとうございました。
階堂さんから頂いたキャンドル、早速使ってみました。
とても良い香りですね。
すぐに気に入りました。】

いつもなら、すぐに返信をするのに、今日だけはその気になれない。

もう昼間だというのに、朝からモヤモヤした気分でいるせいか、時間が過ぎるのが遅くて仕方がない。

あと何時間、ここにいなければいけないのだろう。

そう思って、壁に掛けてある時計を見た時だ。

「社長。」

秘書の子が、俺の目の前に、立っていた。

「ただ今、営業部に入った情報なのですが……」

「うん。」

「森川社長の会社から、大量の発注があったそうです。」

「森川社長から?」

俺は秘書の子から、一枚の発注書を受け取った。

今、営業部から送られてきたばかりなのか、そのFAX用紙はまだ温かった。

見ればどれも、オフィス向けのインテリアだった。

「……森川社長に、お礼のメールを入れておいてくれ。」

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