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Gentle rain

第5章 初めての夜

貪るようなくちづけ。

彼女の腕が、俺の背中に回ったのを合図に、二人でベッドに倒れ込んだ。

彼女のチョコレートブラウンの髪の間から、白い首筋が見える。

自分のモノにしたい衝動を抑えきれなくて、その白い首筋に舌の先をなぞるように這わせた。

彼女の口元から洩れる甘い吐息。

もう彼女に溺れる準備は、できていた。

その言葉を聞くまでは。



「階堂さんっ!」



助けを請うような、彼女の呼び声。

そこでハッと我に返った。

慌てて彼女から、自分の身体を離す。

俺の下にいた彼女は、小さく身体を丸めていた。

「ごめん、美雨ちゃん。」

彼女の気持ちも考えずに、何やってんだ、俺は。

「これ以上は何もしないから。本当にごめん。」

謝っても彼女は、少しも動いてくれない。

迂闊だった。

まだ大学生の彼女が、突然こんな事をされて、黙って受け入れられるはずがない。

「許してくれるわけがないか…」

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