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人間型ロボット

第2章 恋愛モードニ変換シマス

無我夢中で走った
行き先なんて何も考えず体のなすがまま

和「ここ、どこだろ」

気づけば見知らぬ公園についていた
空は日が沈んでいて子供達は既にいない

不思議と焦りはなくて
ただブランコに1人揺らされていた
ふと思い出す
小さい頃翔ちゃんと2人でブランコに乗っていたらおれが落ちちゃって
翔ちゃんすっごい心配して俺おぶって家まで送ってくれたこと

そんな優しい翔ちゃんが、ね
あ、違うかも もしかしたら俺が浮気相手で悲しませてるのは俺なのかもしれない

和「もう、どうでもいいや..」

下を向いて地面の石ころを蹴る
知らずうちに涙が溢れて止まらない

雅「どうでもよくないでしょ」
和「..え?」

俺の耳に聞きなれた声が響く

和「どしているのっ..どっかいって」

雅紀の額には汗が流れていて走ってきたのか肩を揺らして呼吸している

心配してくれて嬉しいのに思ってもない言葉ばかりでてくる
こんな自分やだよ

和「翔ちゃん、翔ちゃんとこ早く行きなよ!俺にキスなんて見せつけて別れたいならそう言ってよ!」

強がって見るけど涙はずっとそのままで

雅「えっとさ..キスってなんのこと?」
和「今更とぼけないでよ!校門に続く通りで翔ちゃんとキスしてたじゃん!」

雅「..っぷ..くふふふ」

笑いを堪える雅紀
今笑えるとこあった?
人があんたの事で泣いてんのにほんと有り得ない

和「..もういい!」
雅「待てよ、なんか誤解してない?」

「俺と翔くんは共通の友人で知り合ってそっから意気投合して今じゃ親友だよ。和が言ってるキスって多分耳打ちの事じゃない?俺と翔くんで居ると無駄に人集まるから聞こえにくいじゃん?だから耳打ち。わかった?」

嘘、待って
恥ずかしい、そんなことで俺誤解して..

先程まで雅紀に発した言葉が汚く感じて深く頭を下げる

和「ご、ごめん!おれ勘違いしちゃって。変な事言ってほんっとごめんなさい!」

申し訳なくて顔をあげることができない

雅「顔あげなよ。んっ」

顔をあげると雅紀は小指を立てていた

雅「仲直りの指切り」
和「ふふ、何それ」

雅紀は許してくれたのかいつもの雅紀に戻っていた

家に帰ったら何しよう
今日は雅紀のしたいことしてあげないとね

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