無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

正気に戻った和はすぐさま体を離し謝ってくる
そんな和を衝動的に抱きしめた

雅「いいから強がんないの。ガキはおとなしくしてなさい」

和「うるさいなぁ。雅紀みたいな事いうなぁ」

相変わらず口は達者だけど俺の胸にすっぽり収まる

雅「俺雅紀だし」
和「前の雅紀、前の雅紀が好きー」
雅「俺のことは？」
和「きらーい」

クスクス笑いながら話す和
俺に右肩に温かいものが落ちる

涙だとすぐわかったけど今は何も言わないであげよう

おれとこいつがどんな関係だったか、それはまだ分からない
けど、きっと誰よりも大切な存在だったんだとそれだけは分かった気がしたんだ


次の日の朝、二人でベットに寝ていた

和の目は赤く腫れている
影でずっと泣いていたんだろう

和を起こさないようにそっとベットをでる

冷蔵庫にあったもので適当に朝飯をつくる
机に置いたとき寝室のドアが開いた

和「まさきさん、おはよう」

ねむそうに目を擦りながらイスへ座る

雅「おはよう、速く食べちゃいな 仕事遅れちゃうよ」
和「うん」

二人でもくもくと食べている
ふとおれがずっと気になっていた事を聞く

雅「なぁ、俺たちって昔どんな仲だったのか教えてくれない？」

和はフォークを置いて俺に目を向ける

和「やだ、教えない」
雅「...は、なんで？」

食べ終わったら食器をキッチンにおいてすでにネクタイをしめはじめている

和「今まさきさんに話したって何も変わんないじゃん。俺決めたの。雅紀さんに思い出させる。昔の関係 大切な思い出をね」

和は笑って楽しそうにしている
その笑顔は作り物なのかそうじゃないのか分からないけどこの話はどうやら本気なようだ

雅「じゃあ和 ..」
和「ごめんもう仕事行かなくちゃ。居候なんだから家事よろしくね、じゃあ！」

机の上の鍵と写真を手に取り足早に出ていく

雅「もうっ..」

思い出させるつっても俺ロボットだし ..