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第2章 Side Yuichi

「聖!コーヒー淹れたよ!」

「ありがと!」

聖の店は基本寄付金で運営している。

つまり、普通に経営していても大赤字になる、ってこと。

なのに聖、病院とかにアニマルセラピーっていうのをボランティアでやってたりもする。

人が良すぎるんだよな・・・

一応この店にも募金箱は置いてあるんだけど。

「ふぁーー」

「どしたの?恋?」

「バーカ。ちげぇよ。」

「じゃ、何?」

「最近、新しい子が来たの。」

聖が子、と言う場合は大抵女の子とか年下の人、という意味ではなく、動物のこと。

というか、動物、という意味以外で言ってるの、聞いたことないんじゃないかレベル・・・

「どんな子?」

「トイプードルなんだけど、知り合いが虐待されてたのを助けてきたんだよ。」

「あー、なるほどね。それでまだ心を開いてくれない、と。」

「そう!毎朝だっこしてるんだけど、まだ怯えてるんだよね。ホント、これ心折れるー!」

「仕方ないよ。すぐに人になれてたら聖に預けないでしょ。」

「そうなんだけどさ・・・。」

そうやって話している内に時間はどんどん過ぎていった。

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