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ハル

第2章 お城

「ほら、梨央あーん、そう。いい子ね、おいしい?」
ちぎったパンをスープに浸し、梨央の口に入れる春。
空っぽの胃に固形のパンを直接入れると胃がきしむ事をハルは知っていた。
梨央は、その柔らかくて暖かいパンをくれて、裸の体を優しく毛布で包んでくれるハルにいつの間にか心を許していた。
「───っ、ケホッ、………ッ!ご、ごめっ、……なさ……」
急に胃に物を入れすぎたせいか、半分ほど吐き出してしまった梨央は、ハルに汚物がかかってしまい顔を青くした。


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