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秘密のアルバイト

第11章 智とのデート

あれから一週間、撮影当日。

また俺は待ち合わせの時間より、早く着いてしまった。


「あのときも早く着いちゃったんだっけ」


そんな事を考えながら、アイスコーヒーをたのんだ。

しばらく携帯をさわりながら、コーヒーを飲んでいると、智がやって来た。


「和也、おはよう!」

「あっ、おは・・・ようございます。
今日は、よろしくお願いします」

「何々、緊張してるの?
一緒に仕事するの、初めてじゃないでしょ?
まぁ、そう言うところが、たまらなく可愛いんだけどね」


しばらくすると、スタッフの人もやって来た。


「大野君、二宮君、おはよう。
早速だけど、今日は二人で遊園地デートをしてもらいます。
遊園地デートの締めくくりは、ホテルに行って、大野君お楽しみの、二宮君とHです」


何、その大野君お楽しみの・・・って。

どんだけ俺としたかったんだっちゅうの。

でも俺、前から思ってたんだけど、スタッフの人って、ざわざわしているとはいえ、こんなにたくさん人がいるのに、よくこんな話ができるよなぁ。


「俺ずっと和也と撮影する事、楽しみにしてたんだよね。念願叶って嬉しいよ。
今日は楽しもうね」

「あっ、はい・・・」


俺との撮影を喜んでくれるのは嬉しいけど、ちょっと智のテンションにはついていけない。


「じゃあ、この店を出るところから撮影始めます。
本当のカップルのように、ラブラブデートをしちゃって下さい。
じゃあ、始めます」


店を出て、撮影開始。

スタッフの車で遊園地まで移動。

車の中では世間話。
大学の話やなんやかんや。

智は俺の肩に手を回し、もう片方の手は膝の上で繋いでいる。

そしてときどきするキス。

舌を絡め合うようなキスじゃなく、チュッ!っと軽いキス。

会話が途切れたりするたびに、チュッ!っとキスをする。

遊園地に着くまでに、何回したかな?

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