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秘密のアルバイト

第11章 智とのデート

飲み物が届くまで、部屋の窓から景色を眺めた。

遊園地の観覧車から見る景色とは全然違う景色。

高いオフィスビルと、下に電車が走っているのが見えるだけ。
こんな景色でも、夜ならロマンチックに思えるんだろうな。


「観覧車から見る景色とは全然違うね」

「そうですね。
何か走っている電車が、プラレールのおもちゃにしか見えないですね」

「プラレールって和也・・・」

「えっ、おかしいですか?
でもほらっ、プラレールに見えません?」

「見えなくもないけど、和也のプラレールって発想が可愛すぎるよ」

「そう・・・ですか?・・・へへっ!」

「う~ん、も~・・・可愛!!」


俺を引き寄せ、ギュット抱きしめキスをした。

大きな窓ガラスに体を押し付けられ、今すぐこの状態で始めてしまうかくらいの、激しいキス。
俺も思わず、智の首に手を回した。


ーピンポーン!ー


その時、部屋のベルが鳴った。

その音で唇を離し、体も離した。


飲み物を受け取り、テーブルに座り飲んだ。

智は本当に喉が乾いていたのか、一気に飲み干した。


「和也、俺先に汗流してくるね」

「はい、どうぞ」


智が汗を流している間、コーヒーのグラスを持って窓の外を眺めた。


「お先!
和也も汗流しておいで」

「あっ、はい!」


コーヒーの飲み干し、汗を流しに行った。


「このあと・・・かぁ。
汗かいて臭いから、綺麗に洗ってと・・・」


別に俺、期待してる訳じゃないからね。
もし臭かったら智に悪いでしょ?
それだけだからね。


俺、誰に言い訳してるんだ?




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