テキストサイズ

秘密のアルバイト

第13章 告白

「俺もここの学生だからさ」

「だって、何も言ってくれなかったじゃないですか」

「かずだって、どこを受けるかなんて、教えてくれなかったでしょ?」

「まぁ、そうですけど・・・」

「かずに気が付いたのは、入学してすぐくらいだったかな?」

「何で声かけてくれなかったんですか?俺・・・」

「友達と楽しそうにしてたから、声かけづらくてね。
声かけたら、友達に対してひどい事して、かずに迷惑かけるといけないしね」


何だろう・・・

嬉しいような、寂しいような、複雑な思い。


「あっ、今週の金曜日大丈夫?
用事だったり、仕事とか入っていない?」

「はいっ、大丈夫です。
日曜日に撮影したばかりかので・・・」

「じゃあ金曜日、事務所近くにコンビニあるでしょ?
あそこで待ってて」


えっ?あのコンビニは・・・


「すみませんが、できれば違うところにしてもらえませんか?」

「違うところか・・・
そうだ、かずが初めて撮影した公園にしようか」


事務所とコンビニから少し離れてるからいいかな?


「はいっ、わかりました。
金曜日、楽しみにしてます」

「俺、迎えに行くからね。
今度はゆっくりと、かずの話し聞けるね」


俺の事をじっと見つめる潤。

相変わらず、見つめられると吸い込まれてしまいそうになる。


「じゃ、じゃあまた金曜日・・・」


その場を立ち去ろうとしたとき、腕を掴まれた。


「潤・・・何ですか?」


何も言わず、ただ俺の事をじっと見つめる続ける潤。

俺も潤を見つめた。


何だかおかしい。

体が引き寄せられていく。

潤に引き寄せられているのではなく、俺の体が勝手にどんどん引き寄せられていく。

俺より少し背の高い潤に、背伸びをして首に手を回し、自分から唇を重ねた。

誰に見られてもかまわない・・・

俺はそんな気持ちになってしまった。


唇を離すと、俺達は別れた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ