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秘密のアルバイト

第13章 告白

「すみません、こんな事してもらっちゃって・・・」

「俺、料理得意なんだ。
外より家の方が、ゆっくり話できると思ってね」


俺の“相談がある”を覚えていてくれたんだな。

潤のそう言うところ好きだな。


・・・んっ?・・・好き?


何言ってんだ・・・俺。


「いただきます!」

「どうぞ・・・
ところでかず・・・相談したいって言ってたよね。
どんな事?」


ファンの人に声をかけられた事を相談したかったんだけど、それが櫻井で、勢いとはいえあいつとヤってしまったわけだし・・・


「実は、待ち合わせしようとしてたコンビニで、以前俺のファンだと言うやつに声をかけられたんです。
正直俺、ビックリして人違いだからと言って何とかにげてきたんです。
そう言うとき、どうしたらいいかなって」

「珍しいな・・・
俺達がやっている仕事って、ちょっと特殊じゃない?
だから、いくらファンでも声かけづらいと思うんだけどね・・・」

「どうしたらいいですか?」

「そうだな・・・
変に拒否ることもないと思うし、“どうもありがとう”くらい言って、足早にその場を立ち去るかすればいいんじゃないかな?」

「いつも見られているようで、大学行っても何だか回りが気になって・・・」

「大学って・・・
勘だけど、まさかこの前ヤツじゃないよな・・・」

「・・・」

「あいつなんだね」

「・・・うん。
雅紀の・・・友達なんです。
雅紀にバラしたりしないかな、心配で・・・」

「だから抵抗しなかったんだね。
俺がいなかったら、完全に襲われてたよね」


って言うか、もう襲われてしまったんですけど・・・


「もう大丈夫、俺が守ってあげるから。
さぁ、食べて」

「はい・・・潤、美味しいです」

「本当?!よかった、かずの口に合って・・・」


完全解決じゃないけど、何か安心したよ。

潤の手料理を、美味しく頂いた。


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