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秘密のアルバイト

第15章 何がしたいの?

「ねぇ君、しばらくこの仕事、やってみない?
人気出ると思うんだけどなぁ」

「ありがとうございます。
俺、今のバイトを辞めること出来ないので・・・
彼と撮影出来ただけで、俺満足です。
ありがとうございました」

「そっか・・・仕方ないね。
またよかったらいつでも連絡ちょうだい。
今日の出演料、振り込んでおくからね・・・相葉君」

「それじゃあ、失礼します」


俺は階段を半分くらい上がり、身を潜めた。


「何であいつが?雅紀がいるの?
ってか、俺のさっきの相手は雅紀だったの?」


階段に座り込み、動けなくなってしまった。


「サングラスしてたから、全然わからなかった。
わからなったとは言え俺・・・」


もうあいつの顔を見ることができない。

しかしあいつは何を考えているんだろう。


「あれっ?
そんなところで二宮君何してるの?」


さっきのカメラマンが声をかけてきた。


「まだシャワー浴びてないの?
もしかして、気分でも悪いの・・・大丈夫?
手を貸すよ・・・ほら、掴まって」

「いやっ・・・何でもないです、大丈夫です。
お話し中だったので、ここで少し待ってただけです」

「そんなこと気にしなくても良かったのに・・・」


ゆっくり立ち上がり、階段をおりた。


「二宮君、大丈夫?
・・・どうしたの、顔色悪いよ」

「何でも・・・ないです」

「そう・・・それならいいけど」


もう何が何だかわからない。

雅紀は何がしたいのか。

俺をどうしたいんだ?


「頭の中がもう・・・真っ白だよ」





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