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秘密のアルバイト

第16章 言いなり

うつ向いたまま、後ろをついていった。


「部屋を変えるんで、荷物運ぶの手伝って欲しいんだ。昨日急に決まってね」

「あぁ、そう・・・ですか」


何だ、ただの手伝いか・・・よかった。

部屋に着いた。

確かに昨日に比べたら部屋が散らかっていた。


「急に来客があっても困らないように、ソファは昨日運んだんだ。
とりあえず、それとそれ、持ってくれない?」

「あっ、はい・・・」


言われた物を持ち、後ろをついていった。

どんどんひとけのない、建物の奥の方へ歩いて行った。


「さぁ、ここだよ。入って!」

「はい・・・失礼します」


さっき言っていた、ソファが部屋の真ん中に置いてあった。

あとはもとからあったと思われる、本棚があるだけだった。


カチャン!


「・・・んっ?
あの、これはどこに置いたらいいですか?」

「それは、本棚の前にでも置いてくれるかな」

「はい・・・
あと続けて運んだらいいですか?」

「あぁ、今日はもういいよ。
ところで二宮君、この部屋すごく静かだろ?」

「そう・・・ですね。
静かと言うか、ひとけが全くないところですね」

「そう、そうなんだよ。
全くひとけがないところが気にいって、急に決めたんだよ」

「はぁ、そうですか・・・
あの、もうなければ失礼してもいいですか?」

「どうしてこんなひとけのない部屋が気に入ったか、教えてあげようか」

「いや・・・その・・・
静かな部屋で・・・えっと、集中したいとか・・・」


ジリジリと近付いてくる先生。
後退りしながら答える俺。


「それはね、二宮君・・・」

「何⁉・・・わぁー‼」


腕を掴まれ、ソファに押し倒された。


「周りを気にせず、二宮君の事を可愛がる事ができるからね。
二宮君がイヤらしい声をどんなけ出しても、誰にも気付かれることはないから、安心して喘いでいいよ」



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