テキストサイズ

秘密のアルバイト

第17章 ごめんね

「か・・・ず・・・?」


何だよこいつ・・・
何も知りません的な顔しやがって・・・


「お前が・・・お前が俺の仕事の事を話したから、それをネタに脅迫されて、毎日毎日あの人のおもちゃにされているんだよ」

「あれから?毎日?
えっ・・・あっ・・・その・・・
そんなの・・・あの時1回だけじゃ・・・」

「違うよ!
次の日も、また次の日も、ずっとだよ!」

「えっ、でもあの日1回だって・・・
それでかずも驚いて辞めるだろうって・・・」

「もともと男のほうが好きだったのか、俺をきっかけに男のほうがよくなったのかは知らないけど、部屋の引越しの手伝いなんて理由で、毎日毎日俺の体にむさぼりついてくるよ」


俺はベッドから降りて、キッチンへお水を飲みに行った。


「かず・・・ごめん・・・」

「謝られても、もう遅いよ。
もう、俺はあの人の言うなりになるしかないんだ。
大学にいるためには、それしかないんだ」


そのときLINEが届いた。
先生からだった。

ベッドの足元にある、俺の携帯を手にした雅紀は内容を勝手に見た。


「おいっ、勝手に見るな!」


携帯を持って、キッチンにいる俺に近付いてきた。


「何これ、ほとんどストーカーじゃねぇかよ」

「そうだよ、そのストーカーのような先生から、もう逃れられないんだよ」


飲み干したグラスを、勢いよくテーブルにおいた。


「かず、もうこんな関係はやめろよ。
あの人にはもう近付くな!」

「近づくなって言ったって、拒否していたからあんなLINEが届いたんだろ?」

「俺が・・・俺が何とか・・・」

「何とかする?
何とかするって、もう無理なんだよ」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ