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秘密のアルバイト

第17章 ごめんね

「頼むから、もうあいつの言いなりはならないで。
あいつの部屋へ行ったりしないで」

「もう・・・もうほっといてくれ」


もう一度、ベッドに向かおうとすると、よろめき座り込んでしまった。


「かず、大丈夫か?」


俺の体を支える雅紀。 


「放せよ・・・」

「なっ!もう行かないって言って。
あんな仕事なんて辞めて、俺のところに帰って来てくれよ・・・なっ、かず」

「やめろ・・・放せよ!」


俺をギュッと抱きしめる。
体を離そうとしても、今の俺にはできない。


「かず、俺お前が好きだ。
今までみたいに、二人でいつも一緒にいようよ」

「やめろ・・・放せよ」


そのまま押し倒された。
抵抗しても、力のない俺には突き放せない。


「かず、大好き」

「んふっ・・・」


両手を床に押し付けられ、キスをした。
服も脱がされ体を触り、首筋から唇を這わせ始める。


「やめて・・・お願いだから・・・」


聞く耳持たない雅紀。



ピンポーン‼ピンポーン‼


「だっ、誰か・・・来た」


そんな俺の言葉に耳を傾ける様子はない。
へやに響くインターフォンの音も気にしないで、ただ俺の体をなめまわす。


ガチャッ!!

ドアが開いた‼


「かずっ!!」

「潤・・・」


鍵を開け、部屋に入ってきたのは潤だった。


「雅紀、何してるんだよ!」


驚く雅紀。
俺を押さえつけている雅紀の力が緩む。

そのすきに雅紀を押し退け、体を起こした。


「かず・・・」


優しく名前を呼ばれ、広げられた潤の腕の中へ倒れ込むように飛び込んだ。


「潤・・・」


背中に回された腕は、俺をギュッと抱き締めた。


「か・・・ず・・・」


悲しそうに雅紀は俺の名前を呼んだ。



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