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秘密のアルバイト

第24章 復帰1段

「おっ、二宮君お疲れ様。
久しぶりの撮影は、どうだった?」


事務所に戻ったら、潤のお兄さんが他の若い男の子と打ち合わせを終えたところだった。

新しい子?
それとも何度も撮影している子?


「こっ、こんにちは・・・」


目が合ったのでとりあえず挨拶をした。


「イメージDVDなんて、そんなに難しくなかったでしょ?」

「いや~、相手がいないのにいるふりで話すのはむずかしいですよ。
ちょっ恥ずかしかったです」

「今まで撮った子の中で、一番ゾクゾクしましたよ。
凄くよかったですよ」


あのカメラマンが話に割って入ってきた。


「そっか・・・本当に君は可愛いからね。
うちでは今君が一番人気なんだよ」


そう・・・なのね。

嬉しくないわけではないけど、俺は潤さえいればそれで十分。


「ちょっとごめん・・・潤からのLINEだ。
・・・本当にあいつは、君の事しか頭にないみたい」


撮影中じゃないのか?

・・・んっ、俺にもLINE・・・


『かず終わったみたいだね。先にマンションに戻っててくれる?』

「もしかして潤から?」

「はい、先にマンションに帰っててって・・・」

「あっそう・・・
二宮君この後どこか寄ったりする?」

「いや、別にない・・・あっ!」


今の話を聞かれていないかと、思わずカメラマンを見てしまった。


「どうしたの?
・・・あぁ、二宮君あいつのマンションまで送るよ」

「えっ、でもそんな事していただいたら・・・」

「あっ社長、二宮君を送るなら、今日あがりなんで俺送りますよ」

「いいよ。出かけるついでだから俺が行くよ。
さぁ、行こうか」

「はい、ありがとうございます。
お先に失礼します」


カメラマンの恨めしそうな表情が、何だか気持ち悪かった。










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