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秘密のアルバイト

第30章 悪夢再び

「う~ん・・・あっ、寝ちゃった。
今何時だ?・・・もうこんな時間⁉」


テレビとゲームをつけたまま、俺は3時間位眠ってしまった。


「そろそろ雅紀が来る頃かな?」


コンコンッ!・・・コンコンッ!


キッチンからリビングに鍋を運んでいると、ドアをノックする音がした。


「は~い。
今手が離せないから、自分で開けて入ってきて」


コンコンッ!・・・コンコンッ!


雅紀は入ってこない。
いつもなら自分で開けて入ってくるのに、おかしいな。


コンコンッ!・・・コンコンッ!
・・・コンコンッ!・・・コンコンッ!


ノックをする回数が増えてきた。


「チッ!・・・ったくうるさいなぁ。
今忙しいって言ってるだろ!」


準備の手を止め、玄関のドアを開けに行った。


ガチャッ‼


「初めてじゃないし、鍵をもってるんだから自分で入ってこいよ・・・はっ⁉」


ドアを開けると、俺は後ずさりをしてしまった。
驚きのあまり、声も出せなかった。


バタンッ!・・・カチャッ!・・・

ドアを閉め鍵をかけ、チェーンもかけた。


何で?
どうして?


「二宮君、久しぶりだね」


何でこの人がここに⁉


「君に会えなくて、凄く寂しかったんだよ。
やっと会えたよ、嬉しい」

「・・・」

「みんなと楽しそうにしている君が凄く可愛くって、いつも遠くから見ていたんだよ」


あの時々感じていた視線は、この人の視線だったんだ。
でも、どうして俺んちを知ってるんだ?


「見ているだけじゃ我慢できなくなってついてきちゃったんだ。そうそう、友達との旅行は楽しかった?」


駅で感じた視線。
あの時も駅まで来てたのか?


「相変わらず君は可愛いね。
いや、以前よりまして可愛くなったよ」


俺は部屋の奥へ逃げた。

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