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秘密のアルバイト

第30章 悪夢再び

「助けて、潤・・・雅紀・・・んっ」


二人の名前を叫ぶと、口をふさがれた。


「かず、どうしたの?かず、何かあったの?
あれ?見なれないくつがあるけど・・・
潤、ドアチェーンがしてあって開かないんだ」

「ん・・・ん・・・」

「何かかずの声変じゃねぇ?
かず!・・・おいかず、大丈夫か?
くそっ・・・ドアチェーンが・・・」

「潤、どいて。これでやってみるよ」


雅紀は持っていた傘でチェーンを外そうとしている。

その間も俺は舐められ、指で穴をいじられ続けている。

早く来て・・・助けて・・・
そんな俺は舐められ続けて、もはや限界に近づいてきている。


「あともう少し・・・よしっ、外れた。
かず、大丈夫か!・・・あっ、あんたは?」


俺の口をふさいでいた手が離れ、俺をくわえていた口も離した。


「潤・・・雅紀・・・助けて」


俺は半べそ状態で二人の名前を呼んだ。


「お前・・・俺のかずに何て事を・・・
許さねぇ」


潤は思いきり先生の胸ぐらを掴んだ。
先生はうまく手を振りほどき、潤を突き飛ばし、自分のくつを持って走って逃げた。


「くそっ、逃げやがったな。
かず・・・かず、もう大丈夫だよ」

「潤・・・潤、怖かったよ・・・」


俺は情けない姿で潤に抱きついた。


「ごめん・・・ごめんね、潤・・・」

「もう大丈夫だから、かずが謝ることないよ」

「うん・・・うん・・・」


情けない姿の俺を優しく抱き締め、頭を撫でてくれた。


「俺、親父に会ってくる。
あいつの事、どうするか会って話してくるよ」

「でも潤・・・」

「大丈夫。親父も俺の事わかってる、カミングアウト済み。
雅紀、かずの事頼む。
ちゃんと鍵もチェーンもして、いいな」


そう言って、潤は部屋を出ていった。




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