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秘密のアルバイト

第4章 もう一人のお兄さん

「ねぇ、もしかして緊張してる?」

「いや・・・別に。
待っている間に、少しでもやろうと思って」

「ふ~ん・・・そう。
だけど二宮君、本が逆さまだよ」

「えっ?!・・・あっ!!」


ありえない。
本を逆さまに持つなんて、ありえない。
どれだけ俺は、緊張しているんだ。


「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

「はっ、はい・・・あっ!」


持っていた本を片付けようとしたとき、綺麗な手で頭を撫でられた。
見上げると、そのお兄さんはニコッと微笑んでいた。

お兄さんの顔を見ていたら、緊張感はなくなった。
その代わり、何か違うドキドキ感が襲ってきた。


「もう少し待っててね」

「はい・・・」


お兄さんは行ってしまった。

本をカバンに片付けると、名前を呼ばれ、顔を上げると小さな包みを渡された。
単行本位の大きさの物。


「二宮君これ、撮影用の下着。
これに替えて、あの部屋へ行ってね」


いよいよなんだ。
また緊張してきちゃった。
でも撮影用の下着なんてあるんだな。


「えっ?!超派手なんだけど」


履き替えて部屋で待っていると、さっきのお兄さんが入ってきた。


「お待たせ、二宮君」


今日の相手は、このお兄さんなんだ。


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