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秘密のアルバイト

第32章 慰安旅行?その2

着替えを持って部屋を出ようとすると、隣の二人も起きたようだった。


「起きたかな?
かず、二人も誘って一緒に行こうか?」

「いや、いいよ智・・・やめよう。
俺達だけで行こうよ」


昨日あの部屋で俺達と雅紀達、同時に撮影して、お互いの声も聞き、姿も見ているのに、素の姿で会うのって何か恥ずかしいよね。

まだ早いからか、みんなまだ寝ているのか、風呂に来ている人はいない。


「こんな早い時間から入るのって気持ちいいね」

「そうだね・・・あっ」


大きく手を広げ、背伸びをしたついでに俺の肩に手をまわした。


「智・・・」

「こんな機会もう無いかもしれないから、今だけでいいからこうさせて・・・かず」


智の顔が近付いてきた。
俺も今日だけ、今だけはと目を閉じた。

すると脱衣室に人の気配がした。


「チッ・・・いいところだったのに」


俺達の後に来た人の声で智はスッと俺から離れた。
俺も残念に思ってしまったのは、何でだろう。


「あっ、智君・・・智君も来てたんだ。
おはよう!」

「おぉ、おはよう。朝早い風呂も気持ちいいな」

「そうだね。
智君に会えるなんて、朝風呂に来てよかった」


嬉しそうに智に話しかけてきたのは、昨日も話しかけてきた可愛らしいモデルの子。
昨日も思ったけど、多分この子は智の事が好きなんだと思う。


「智君、ちょっと話があるんだけど・・・」

「話ってなに?」


彼は俺の事を妙に気にしている。
俺は景色を見る振りをして、二人から離れた。

何を話してるんだろう。
俺の事をチラチラと見ながら話している。

しばらくすると智はきれいな手で、彼の頭をポンポンと優しく撫でた。
そしてあごクイをしてキスをした。

彼は悲しそうな顔をしてお風呂を出ていった。

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