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「えっ・・・あの・・・
付き合っているわけじゃなくて、なんと言うかな・・・その・・・」

「何、何をそんなにも、動揺してんだよ。
別に付き合ってるならそれでいいだろ。
俺だって潤と付き合ってるわけだし・・・」

「だから、まだ付き合ってる訳じゃなくて、あれから何回か飯いったり遊びに行ったりしてるだけで・・・」

「でもお前は気に入ってるんだろ？」

「うん、まぁ・・・
あいつ、かずみたいに可愛らしいし、何かしてあげたくなるんだよね」

「俺みたい言うな！
でも気があるなら、大貴に言ってみれば？
誘いにのってくるくらいだから、あいつも満更じゃないんじゃねぇ？」

「そっ、そっかな・・・」

「でももし駄目だったとしても、そのあとの事は俺、責任持たないからな」

「え～、なんだよそれ・・・
かず、冷たいな」

「ハハハッ！
でも、まさかお前とこんな話しするとは思わなかったよ」

「そうだな・・・
俺、ダメ元であいつに言ってみるよ。
ありがとう、かず」


マジで嬉しそうな雅紀。

そのとき、LINEが入った。


「あっ、仕事の連絡・・・って、これ誰だ？」

「どうしたの、かず。事務所から？」

「仕事の連絡なんだけど、いつもの社長からじゃないんだよ」

「それ、いたずらじゃねぇの？」

「いや、いたずらじゃないみたい。
・・・あぁ、他のスタッフが頼まれて連絡してきたみたい。
ところで雅紀、あれから仕事した？」

「旅行以来してないよ。次はいつなの？」

「え～と・・・来週の水曜日だって。
いつものホテルのロビーで待ち合わせだってさ」


そのとき雅紀の携帯にもLINEが届いた。


「俺は事務所だって。
・・・あっ、俺も同じ来週の水曜日だ。
って事は、相手はかずじゃないって事か・・・
残念」

「本当は、大貴だったらなんて思ってるんだろ？
続けてはないよ」

何で俺は、いつもみたいに社長からの連絡じゃなかったんだろう。