保健室の扉の向こう
第1章 優しさに囚われて
「はーい注目。はじめまして1-6の担任の海端一子と言います。こちらは副担任の成田雪先生です。」
容赦なくすぐに紹介されてしまい、私は礼をぴょこっとしかできなかった。
そして、ある男子は指さしながら
「返事した先生じゃん!」
なんて言ってきた。
しかもケラケラ笑ってて腹立つ…。
“三沢”
よし覚えた。
私は昔から人の名前を覚えるのが好きですぐに覚えてしまうのだ。漢字とかだったらすごくわかりやすい。
「んじゃ、みんなも自己紹介していこうか!」
海端先生の一言でみんなが一瞬にしてぱあっと明るくなったように感じた。