保健室の扉の向こう
第4章 激しく揺れる心と身体
「まあ結局雪ちゃんがそのまま寝ちゃったんだけどさ」
笑い事じゃないし…!!!
私、ホンネ漏れてたんだ。
そう実感することしかできなかった。よく友人にも、顔に出やすいと言われたことがあったが、自分ではあまり実感していなかったこと。
「ほらここ」
指を指したのは、真っ赤なキスマーク。私は全然、気づいていなかった。
心臓が一気に動き出して、今にでも口から出そうな勢いだ。
「…ほ、本当にしてないんですよね」
「してないって。ヤッたら嫌いになるでしょ」
そんなこと言いながらも笑顔なんだよね、先生は。
私のこと、思ってもないくせに…。
私だって…。
あんなシーン、もう一回見たら怒るから…
って言っても私にはそんな権利ないか。