テキストサイズ

保健室の扉の向こう

第5章 黒



「何泣いてんの?」


「怖かったんですゥ…」


「子供かよ…」



私は、泣きながら家へに向かって帰っていた。確かに、子供っぽいのかもしれない。体もちんちくりんだし…。


「よしよし」


先生の手が暖かく、頬をさすった。びっくりしてびくっとすると、にんまり笑った。



「…用事ってなんだと思う?」


「え…?その場しのぎの言葉だと思ってましたけど」




違うらしい。



「雪ちゃん。君と生でするんだよ」



涙が急に止まった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ