保健室の扉の向こう
第6章 白
「俺のこと好きなくせして、そんなこと言えるとか…」
ドクドクと血の巡りが良くなって、身体が熱くなっていく。
そして、首に巻き付いた手が食い込んでいく。
苦しい…。
なんで、こんなことされなきゃいけないの。愛しているから拒否した…ただそれだけのこと。
子供だろうがなんだって別にどうでもいい。
彼のことをずっと考えておきたかっただけなんだ。
「…殺したい…なら…殺しても」
振り絞った言葉がその言葉だった。するとゆるゆると手から隙間がでてきた。
途端に新鮮な空気が流れて咳き込んで、手は完全に離れる。
「お前…」
若干怯えながら、わたしを見つめる。