保健室の扉の向こう
第6章 白
はっと目が覚めたような顔をした。
「ごめんっ」
そう言ってぎゅっと私の身体を抱き上げた。それもそれできついけど…。
あんなことされてもまだ、嬉しくて何も言えなくなってしまった。
「俺…また…」
絶望的な顔してるけれど、そんな顔しなくてもいいのに。
「大丈夫、私は死んでませんし」
「…なんで…苦しかったはずなのになんで…心配なんか」
「それは好きだから…ですよ。気づいているのに、鈍くないです?」
ぽわっと熱くなる。
「俺、なんかきゅんとした」
「え、あ…?」
おでこにキスを落とした。