保健室の扉の向こう
第6章 白
男でもきゅんって思うことあるのかな。でも私、させたつもりないけど…。
まあいっか。
おでこのキスで、なんか全てが吹っ飛んでいった気がする。ただ、ちょっと触れただけなのに。
心臓がまた落ち着かなくて。
“俺も好き…”
そんなこと言われたら、嬉しいのにな。
「雪ちゃん、ありがとうね」
そう流されちゃって
心残りあるけど、どうすることもできない。
私は、うんと頷いて身体を離そうとした。しかし、隙間がなくて解くことができない。
「も、もう…離してください!」
「じゃあ、好きっていって?」
「いやぁ…なんで」
嫌気が本気で刺してしまうのだが、彼は気づかいない様子だ。しょうがないけど、やらないよ?私。