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保健室の扉の向こう

第7章 偽り

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平田先生のことは無視して、私達は一度職員室から出て、話すことにした。



「一体、どういう事ですか……」


疲れきった、そのかすれ声で私は彼女のことを訪ねた。


「…一応避妊してあったけど、証拠写真見せられたら俺もお手上げ」


「そんな…。このあとどうなるんですか」



「わかってる癖に。退職処分だよ。まあ、彼女はきっと中絶するだろうし」



わかってる。


わかってるけど、落ち着かない。


「確かに俺はヤった。事実だよ。だから従うしかないの」


「先生がやめるんだったら私もやめます…っ」


そう言ったが、返す言葉はなくただほっぺたを触って悲しげに笑った。

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