テキストサイズ

保健室の扉の向こう

第7章 偽り




「雪ちゃんは、立派な教師になりなさい」


________
____



そんなことがあった後の教室はざわついていた。


そりゃそうだよ。

同じクラスメートの女子がレイプされてて妊娠したって言われたら、話題にならない訳がない。



「はい、静かに!これから、臨時集会を体育館で行うので廊下に整列してください」


海端先生は大きめの声ではっきりと内容を伝えた。

海端先生の顔に嘘はない。


全てが真実。



私は一度目を閉じ、意を決して目を見開いた。


信じたくないけど、信じるんだ。



私は、見ているだけ。
全て、時に任せる。


保健室のその扉を見ているだけのように。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ