保健室の扉の向こう
第7章 偽り
「諸事情により、今日退職となりました。秋田秀也先生です」
ざわめきは止まらず、周りからは「どうして!?」や「だよねー?」みたいな声が響き渡る。
「先生に一言行ってもらいます」
ぎしぎし言うパイプ椅子から立ち上がり、ステージの真ん中に立って周りを見渡している。
「どうも。まあ、ご存知の通り、俺は女子高生を妊娠させたから退職する」
先生は馬鹿なのだろうか。
わざわざ言ってなにが得するのだろうか。
「男は、そういうもんさ。お前らも気をつけろよ」
それを最後に先生は二ッと笑ってもとのパイプ椅子に戻っていった。
秀也。
あなたはこれからどうするの。