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保健室の扉の向こう

第7章 偽り



「では、臨時集会を終わります。1年1組から退場してください」



多分、そう言ってたと思うけど私は、そのとき既に走っていた。


――――
――




「すみません!華川ユズさんって方来ませんでしたか!!」



ピンク色のナース服を着た受付の女性が引き攣った笑顔でこちらを見ていた。顔からうるさいとでも言ってきたようだ。



「あの、個人情報となるので…」


「その子の副担任です!」



女性は、しょうがなく「こちらです」と言った。





白く綺麗に整った廊下を何分か歩いていくと、彼女のいると思える病室が見えた。



「こちらです」




そしてすぐに入ろうとすると、肩に手を置かれ止められた。



「彼女は今、不安定なのであまり質問など多く言わないであげてください。パニックがひどくなると思います」




「…解りました」




真剣な顔つきは同じのようだ。

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