保健室の扉の向こう
第7章 偽り
「雪ちゃんが泣く必要なんてない」
「でも、先生はどうするの。これからあの子のために貢ぐの?」
彼はため息をついた。
「たかが一回やっただけでデキる訳ないよ。しかも避妊はしてたし」
「でも三ヶ月って」
するとパチンとデコピンさせられた。意外と痛いもので。
「でもじゃない!3ヵ月前は華川ユズとは会ってない!…気づけよ」
あ、
確かに言われてみれば。
え、さっきの演じてただけ?!
私は、驚きすぎて涙も止まってしまった。
私こそ、馬鹿だったっ!
「じゃ、先生やめなくても…」
「やったことは事実。それは認めるべきだと俺は思う。しかも、簡単に雪ちゃんと付き合えないしね」
軽く言う先生に腹立つけど、それに反応している自分も腹が立つ。