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第1章 初めての不倫

そして、私の両肩を包み込むように、抱きしめると、微笑みながら話しかけた。

「緊張してますか?」

私は、軽くうなずいた。

初めてのことで、とても緊張していた。

彼の胸のあたりに、触れそうになっている頬が、少し熱い。

私は、緊張したまま、彼の手を見た。

きれいな指。

関節があまり太くなく、爪もきれいに、切り揃えられている。

その彼の手に、くっきりと、浮かび上がった血管に触れる。

血管の形に沿うように、指を滑らせる。

なぜかは、わからないけれど、そうしていると、とても落ち着いた。

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