Happiness
第2章 パンつながり
「こんにちは」
「いらっしゃ…」
目線を上げると、そこには、
さっきまで考えてた、黒いキャップの人。
「あの…クロワッサンありますか?」
…デジャヴかな?
「もうちょっとで、焼き上がりますが…」
「じゃあ、待ってますね。」
そう言うと、ちょっとしたカフェスペースになってる所に、
歩き出して。
「この前は、ほんとごめんなさい。
本当にお腹減ってて…笑」
「あ、大丈夫ですよ。」
「あの、クロワッサン美味しくて、
絶対また来よう!って思ってたんですけど、、
なかなか都合が合わなくて笑」
「日曜と祝日以外はほぼ空いてるので、
大丈夫ですよ(笑)」
でも…と、付け足す。
「こういう遅い夕方とかだと、もういいパン残ってないんですよね〜(笑)
クロワッサンも、今日たまたま予約入ってたから、焼いてるんですけどね?(笑)」
「あー、ホントだ。
あ、カレーパンも、食べてみたいなぁ」
何も入ってないカゴの、その中身と、パンの名前が書いてある札を見て、
本当に食べたそうにその人は呟いた。