愛しいキミへ…。
第6章 初デート。
母「大丈夫よ。翔に心配してもらわなくても…。
たまには息抜きもいいだろうとお父さんと話してたの。どうかな?翔もお婆ちゃんに会うの久しぶりでしょう?
お婆ちゃんも会いたがってたわよ。」
お婆ちゃんかぁ…。久しぶりだな。
小学生の時は夏休み、冬休み、春休みと休みの度行っていた。でも中学生になって部活に入ってからは全く行ってない。
お婆ちゃんに会いたいから、いいよって言おうと思った時、ふと思った。今、来週の日曜日って言った??
「今、来週の日曜日って言った?」
母「そう。来週の日曜日に出発しようと思ってるの。
それがどうしたの?」
お婆ちゃんに会いたいけど、潤との初デートと被ってるじゃないか…。どうしよう…。
母「翔??どうしたの?」
「その日は無理…。来週の日曜日は無理。」
母「どうして?何か用事?部活はしばらく休みだってこの間言ってたし。」
「その日は潤と雅紀と潤の友達と4人で遊びに行くんだ。今日約束したんだ。だから無理…。」
母「そう…。まあ、友達との付き合いも大事だからいいけど…。でも潤ちゃん達との約束果たしたら、こっち来なさいよ。それでもいい?」
「分かった。俺もお婆ちゃんに会いたいし。」
母「でも不安よね。その日は私達いなくて家に一人か。翔はしっかりしてるから何も問題ないだろうけど、まだ高校生だからなぁ…。
そうだ!!さちに話すからその日はさちの言うこと聞きなさいね。分かった??」
さちとは、潤の母の佐智枝さんだ。
佐智枝さん、もといおばちゃんは母さんの幼なじみなのだ。家も隣同士だから常に一緒だった。だから潤と俺も小さい頃からずっと一緒だった。
母さんが話を付けて、ご飯は潤宅で食べる事になった。
母さんもそれが心配だったみたい。
そんなこんなで来週の日曜日は無事に潤達と出掛けられる様になった。
部屋に戻ると、潤の部屋のカーテンが開いた。
潤「おばちゃん何だって??」
「春休み、お婆ちゃんの所に行かないかだって。」
潤「いつから?」
「来週の日曜日からだけど、その日は断っておいた。
俺、お婆ちゃんにも会いたいけど今大切なのは潤と一緒にいたいから…。」
潤は珍しく顔を真っ赤にして、「ありがとう…。」と小声で言った。