愛しいキミへ…。
第6章 初デート。
俺は下に降りた。
そして母さんを近づいた。
「どうしたの?何か用事??」
母「呼んだら返事ぐらいしなさい。母さんの声聞こえるでしょう?部屋に籠って何してたの?」
俺はドキッとしたが…、
「勉強に決まってるだろう。それ以外ないよ。」
母「それならいいのよ。勉強の事は誰に似たのか優秀だから母さん何も言わないよ。」
褒められてるのだろうか…。
俺は不思議な気持ちだった。
「そんな事で呼んだんじゃないだろう?
話って何なの??」
母「そうそう。もう来週から春休みじゃない?
だから関西のお婆ちゃんの所に遊びに行こうと思って…。結翔(ゆうと)の事、お婆ちゃん達に見せてあげたいし。どう?」
結翔とは俺の弟だ。まだ1歳。最近ようやく歩きだした。両親からしたら、17年振りの我が子で可愛くて仕方ないみたい。だから俺の事は言い方悪いがほったらかし状態。
俺はそれでいいだけど。結翔が生まれる前はすごく俺に厳しかった。でも結翔がお腹にいた頃から両親は俺に干渉しなくなった。すごく楽になった。
結翔は俺にとっても癒やしなのだ。
ずっと一人っ子で兄弟が欲しかった。でもこの年で両親に兄弟が欲しいとも言える訳もなく…。
だから自分の子の様に可愛くて仕方ない。
「それはいつ行くの?」
母「来週の日曜日から1週間ぐらいかな?」
「そんなに休んで大丈夫なの?お店の方は…。」
両親は隣町でカフェを経営していた。最近ようやく軌道に乗って来たと話していたのに…大丈夫なんだろうか?
でも逆に言うと、自営業だから融通がつくけど…。