
~夢の底─
第1章 ─水と炎と。
(チャンミン。もう寝てた?─)「今…シャワー浴びて…」(じゃもう、寝るとこだね、ごめん─)「あ…ユノ、は?」(マンションの駐車場。車のなか…)「遅かったんですね」(うん…。それじゃ、あした、また─)「ユノ。何か、あった…?」(─今日、撮影の時。お前ボンヤリしてたみたいで、どうしたかと思って)「気をつけます─明日から」(それなら…良いんだ)「はい…」(チャンミン)「─あ。はい?」(何で、俺たち…別れて、暮らしてるんだろうね)「…」(いいんだ。もう遅いし─おやすみ)「ユノ─」(おやすみ、チャンミン)チャンミンの言葉も待たずに、スマホが、切れる。
…翌日の午後。「あ、─しまった」アシスタントがチャンミンを振り返った。「ホン…、読み合わせのスケジュール確認するつもりで」「さっきの部屋?」「打ち合わせ室…端っこのところ」すまなそうに云うアシスタントに「自分でとってくる。先行って」笑顔でチャンミンは狭い廊下を戻った。
「あの」─脇から、不意に声がかかった。ドリンクの自販機のそばに、見慣れない顔があった。「これ…」差し出されたシナリオの本にチャンミンは驚いて、相手を見つめ返した。
…翌日の午後。「あ、─しまった」アシスタントがチャンミンを振り返った。「ホン…、読み合わせのスケジュール確認するつもりで」「さっきの部屋?」「打ち合わせ室…端っこのところ」すまなそうに云うアシスタントに「自分でとってくる。先行って」笑顔でチャンミンは狭い廊下を戻った。
「あの」─脇から、不意に声がかかった。ドリンクの自販機のそばに、見慣れない顔があった。「これ…」差し出されたシナリオの本にチャンミンは驚いて、相手を見つめ返した。
