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~夢の底─

第4章 冬色午後

 「─いつも人気者で、そんなユノに解らないよね、こんな話」「チャンミンだから…、そうじゃなくっ…て」「ユノは…ま─ゲームみたいなつもりでしょ? だから、僕余計辛かったな」─哀願の語り掛けのユノに目もくれない。「今結局のところ、こうなって…万事都合良く収まって、ユノはひどいくらい、幸せ者…こうなるまでに、ひどい思いをさせられたのは僕」「チャンミン」両手を一人住まいのだだっ広いリビングの、絨毯についた姿勢のユノだった。  「しあわせ過ぎるから、だからユノにも罪の十字架が、ある…」もう、チャンミンは顔さえ上げないユノを顧みもせず、うえを見上げ、「ユノはあんまり運が良くて、幸せ過ぎる、不幸な人間なんだね…」
 フフッと懐かしい記憶が浮かんだ笑い声で、「片想いに悩んだり弄ばれていたぶられて…苦しんだことも、ない人─いつも人気のユノ」
 泣いているのだろうか、震える姿にチャンミンはふんわりとした微笑を投げかけた。──そのまなざしがユノの全身を包む。
 「ああいう、はじまりでも、幸福なら良かったんだけど」長い翳を落とす睫毛を伏せた。「ユノはただ、軽い気持ちの…気まぐれ。軽薄そのものですね」
 足元のユノを憐れむ表情になり、見下ろした。

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