
~夢の底─
第5章 霙──
……シーツも取り替え、枕もなおし、ユノの肩まで毛布を引き上げ、掛けた。
上気した頬の色でユノは、疲れた人のように、静かに目を閉じ、無言だった。
脱がせたパジャマやシーツをまとめて片付け、ミルクを入れた紅茶をのせたトレイを運んできた。「冷まして、飲んで。…休んで─ユノ…」呼びかけると微かに頷いた。 カーテンに寄ると、白々とした薄い陽が揺れた。
温かな香りが、部屋を満たしてゆく。
……カーテンを半分ほど開けベッドを見ると、蒼白い夜の近い空の光を、シーツやベッド脇のテーブルが、吸いこんでいる。
白っぽいビルや大きめの広告ボードだけが、しだいに弱まる冬の午後遅い陽を、受けて跳ね返している。うとうと眠っているユノの寝顔を、チャンミンが見ている。時間が止まったようななか、ティー・カップの湯気はゆったりと動き、立像の姿のチャンミンを、取り巻く……。
ヘッドホンを取って、写譜の手を止める。立ち上がり、廊下に行く。
「起きて平気なんですか」着ているトレーナーのジッパーを下げ、脱ぐとユノの背中に着せ掛けた。
上気した頬の色でユノは、疲れた人のように、静かに目を閉じ、無言だった。
脱がせたパジャマやシーツをまとめて片付け、ミルクを入れた紅茶をのせたトレイを運んできた。「冷まして、飲んで。…休んで─ユノ…」呼びかけると微かに頷いた。 カーテンに寄ると、白々とした薄い陽が揺れた。
温かな香りが、部屋を満たしてゆく。
……カーテンを半分ほど開けベッドを見ると、蒼白い夜の近い空の光を、シーツやベッド脇のテーブルが、吸いこんでいる。
白っぽいビルや大きめの広告ボードだけが、しだいに弱まる冬の午後遅い陽を、受けて跳ね返している。うとうと眠っているユノの寝顔を、チャンミンが見ている。時間が止まったようななか、ティー・カップの湯気はゆったりと動き、立像の姿のチャンミンを、取り巻く……。
ヘッドホンを取って、写譜の手を止める。立ち上がり、廊下に行く。
「起きて平気なんですか」着ているトレーナーのジッパーを下げ、脱ぐとユノの背中に着せ掛けた。
