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~夢の底─

第5章 霙──

「誰もいないと思って…」トレーナーの前を腕組みするしぐさで、合わせ、ボソッと云う。─まだ、風邪ひきの、嗄れた声だ。「ベッド戻りましょう。夕方の顔合わせの会、キャンセルなんです」
 ユノの肩を抱くようにして、部屋に入る。「…自分の部屋帰らなくていいのか」ベッドにかけるとユノが、俯き加減で云った。「誰か来て欲しい人いるんですか」床に半分、ベッドから垂れ下がるように、落ち掛かっているコットンの毛布を拾い上げながら、チャンミンは答える。「そう云うワケじゃなくって」「僕は留守しても独りです。気らくです」
 ─ベッドに入り、「俺を看るだけ…遊びもしないで…お前に悪くって」「病気のユノおいて僕は遊べません。自分のことだけユノ、考えて休んで下さい」枕に頭をもたせると、軽く目を閉じ、頷いた。
 毛布の位置をなおし掛けて、「薬のみました? ……スープ出来てますから、それからにしましょうか」「チャンミン。…一緒にとろう」









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