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~夢の底─

第5章 霙──

「仕事全て野外ロケだったんですか?」「あ─運良くて、毎日、毎日快晴。で…ねぇ─バリから皮膚科予約したもの」「燻製…干物にでもなりますね」軽い口調で、冗談を交わし合うふたり。
 「兄さん」まだ少し、掠れ気味の声を、ユノは出す…。チャンミンは黙って、小ぶりのホワイトチョコレート入りのカップを、ユノの膝…鮮やかな虹の色彩のタオルに置く。
 「ココットが夜の食事なんです…レラ兄さんも一緒に、食べてください」口元に軽い微笑いを浮かべ、「ごちそうになる。…自分の家で、さ。チャンミン用意してくれ─」ユノを見つめながら、レラはベッド脇の円筒の形の椅子を離れた。
 「ほんのひとくちですよ」済まなそうにチャンミンが小ぶりの紙パックを、レラに渡す。「一緒にここでどうですか」「食事は仲間とまた、一緒の時にしよう」顔をユノに振り向けて「寝ろよ?」チャンミンに「…ユノを頼む、ご馳走さん─」革の白いコートを持ち、パーティションを過った。



 「ユノ…。少し、疲れたでしょう、食べるのは後がいいですね」キウイの缶入りのジュースを、テーブルに置いた。「レラ兄さんのバリのお土産です」首をかしげる様にユノが頷く。「…ライト、消します」

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